ギフテッド 子どもを育てる環境
数学の天才に生まれた少女をいかに育てるか。数学だけに専念できる環境を与えるのか。それとも、1人の人間として、いわゆる普通の環境の中で育てるのか。
子どもが育つ環境は、子ども自身がまだ幼いために、周りの大人(多くの場合は親)が、その選択をし、提供しなければならない。
何がこの子の将来のためになるのか。
この子が幸せになるためには何が必要なのか。
私はシングルマザーなので、子どもの育つ環境について、おそらく普通の両親よりも考える機会が少し多い。
父親がいた方がよいのか。
私の両親(娘の祖父母)と一緒に暮らした方がよいのか。
精神的なこと、経済的なこと。
できることなら、未来の娘に聞いてみたい。
「どうやって育ててほしい?あなたの人生には何が必要?」
映画は天才少女の叔父と少女を中心とした物語なのだが、私の心に一番残ったのは、自殺した天才少女の母(母も天才だった)を育てた少女の祖母の、最後のシーンだった。
おそらく、どんな育て方をしても、親は後悔することが多いだろう。したくてもしてあげられなくて、子どもに申し訳なかった、と思うことが少なからず残るだろう。
でも、子どもは環境を1つのファクターとして、自分の人生を生き、自分の喜びと幸せを自分で見つけ出していく。創り出していく。
子どもはブロイラーではないのだ。
親が与える物で、子どもの人生が決まると思うのは親の傲りなのかもしれない。
だとしたら。
この子に幸せになってほしいという願いだけは、子育てに成功しようが失敗しようが、持ち続けようと思う。
それが親が子どものために確実にできるたった1つのことなのかもしれないから。